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スピーカー定電圧測定用アンプ
(2006年1月製作)
2011年9月 新しいプリント基板の設計

 スピーカーのインピーダンスを測定する場合、JIS C 5532の規格では定電圧或いは定電流で測定することになっています。しかし、インターネットで測定例を検索してみると、アンプとスピーカーの間に抵抗を入れ、その抵抗に発生する電圧を測定することでインピーダンスを算出していることが多いようです。これだと、定電圧でも定電流でもない方法になってしまいます。
 定電圧で測定しようとするのであれば、オペアンプを使って測定用の抵抗とスピーカーの間からNFを掛けてやる方法が使えそうです。こうすれば、一定電圧で出力でき、しかもインピーダンス測定用の抵抗に発生する電圧を測定することでインピーダンスを算出できるのではないかと考えました。

1.設計方針
 スピーカー測定に使う出力レベルは、100mV程度です。能率の高いスピーカーに300mVも電圧を供給すると、昼でも家族から苦情が来ます。夜だと、50mV程度でもうるさいと言われると思います。このように大出力はいらないので、出力段の電圧は±10Vもあれば十分です。また、NFBを使いますので、出力段のバイアス電流もそれほど大きな必要はありません。できるなら、バイアス回路も省略したいところです。
 そこで、出力段はダイヤモンドバッファを使い、電源電圧は12V程度とします。オペアンプの電源もこれを利用することにしました。

2.回路及び部品
2.1 回路
 オペアンプはFET入力タイプを使いますが、バイポーラ入力タイプでも使用できます。余計な高周波は入力でカットした方が安定するので、130pFのコンデンサを入れます。また、NFBが安定に掛かるように、オペアンプの出力から反転入力側に、22pFのコンデンサを入れます。
 出力電圧が最大でも300mV程度だし、発振器の出力が1V近くあるので利得は1にしていますが、利得を大きくしたい場合は、反転入力側とアース間に適当な抵抗を入れます。
 ドライバ段、出力段は、2SB733/2SD773を使い、発振防止のため、各々のベースに100Ωの抵抗を入れます。ドライバ段のエミッタ側には、5mAの定電流ダイオードを使いました。出力段は2パラにし、熱暴走を防ぐため、出力段のエミッタ抵抗には10Ωを入れています。
 電流測定用の抵抗は、39Ωとしました。これが小さいと、高抵抗側で測定精度が悪くなります。逆に大きすぎると、4Ωなどの低インピーダンスでオペアンプの出力電圧が大きくなり過ぎる可能性があります。ということでこの値にしましたが、ある程度自由に決めてもらっても測定に支障はないので、手元にある抵抗を使えばいいと思います。但し、NFB量が減ってくる高域側でスピーカーのインピーダンスが低い場合は、測定用の抵抗も10Ω程度のものを使用した方が測定精度が上がります。
 具体的には、測定用の抵抗が39Ωの場合、4Ωのスピーカーに繋ぐと出力電圧の約10倍の電圧がこの抵抗に現れます。出力電圧を100mVにしていると、約1Vになります。つまり、スピーカーのインピーダンスが低いとオペアンプの出力電圧は大きくなり、その分、NFB量が減ってきます。裸の利得が小さくなる高域側では、この影響が強く現れてきますので、高域側で低インピーダンスのスピーカーを測定する場合は、測定用抵抗の値に注意する必要があります。
 出力端子には、10Ωと0.1μFの発振防止CR回路を付けます。これがないと、スピーカーケーブルが長い場合、発振することがあります。
 電源は、整流・平滑だけの簡単なものです。



2.2 部品
 基板は、ユニバーサル基板を使いました。オペアンプを使っているので、小さく収めることができます。オペアンプはLF411ですが、ある程度のバンド幅を持つものであれば、どれでもいいと思います。また、バイポーラトランジスタ入力タイプを使う場合は、入力に直流カット用のコンデンサを入れ、バイアス抵抗を小さめの値に変更すれば問題なく使用できます。
 トランジスタは、hfeが高く、コレクタ損失(Pc)が1W前後のものが使えます。
 ドライバ段を小信号トランジスタ(例えば2SA970/2SC2240、2SA1015/2SC1815など)出力段にTO220タイプ(2SA1358/2SC3421、2SA1837/2SC4793など)という組み合わせでもOKです。この場合は、下図のようにドライバ段のエミッタと出力段のベース抵抗の間に抵抗を入れ、出力段の電流を調整する必要があります。


 ケースは、100円ショップで適当な大きさのものを見つけ、それに入れています。

2.3 組立
 部品の数は多くないので、確認しながら組み立てていけばOKです。調整箇所もありません。下図パターンは、パターン側です。表裏を間違わないようにして下さい。



出力端子に付けた発振防止用のCRです。






3.使用方法
3.1 動作確認
 入力端子と発振器を接続し、アンプの出力端子にダミー抵抗とミリバルを接続します。発振器の周波数が直読できない場合は、周波数カウンターも接続します。発振器の周波数を1kHz程度にし、出力レベルを上げ、次に、このアンプのボリュームを上げて、出力端子に所定の電圧が出るようにします。発振器の周波数を20Hz~20kHzの範囲で変え、出力電圧が変化しないことを確認します。もし、変化するようであれば、変化量と周波数範囲をメモしておきます。

3.2 スピーカーのインピーダンス測定
 入力端子と発振器を接続し、このアンプの出力端子とスピーカーを接続します。発振器の周波数が直読できない場合は、周波数カウンターも接続します。発振器の周波数を1kHz程度にし、出力レベルを上げ、次に、このアンプのボリュームを上げて、出力端子に所定の電圧が出るようにします。
 次に、このアンプの39Ωの抵抗の両端にミリバルを接続します。周波数を変え、ミリバルの数値を記録します。最後に、ミリバルの数値からインピーダンスを計算し、グラフ化します。

Vo:出力電圧(mV)
V:39Ωの抵抗の両端の電圧(mV)

スピーカーのインピーダンス=Vo÷V×39(Ω)

ポリタンクスピーカーを測定している例

 発振器は菊水のORC11、ミリバルはLeaderのLMV-181Aを使っています。周波数カウンタは、八野さん設計、「手作りアンプの会」北浦さん製作の基板を使い、自作したものです。1kHz以下はレシプロカルタイプなので、低周波のときに測定に時間がかからず便利です。この周波数カウンタはお勧めです。

39Ωの抵抗の両端電圧を測定しています。
4.新しいプリント基板の設計
 上に記載のプリント基板のパターンは空中配線しないと接続できなかったりするので、パターン設計しなおしてみました。秋月の48×72mm、ピッチ間隔2.54mmのユニバーサル基板を使うことを想定しています。出力段周りのコンデンサを追加したり、配線を見なおしたりしてみました。

パターンは、部品面側です。縦横の線のクロスしているところが、ユニバーサル基板の穴です。

 配線の引き回しは私の好みにしてありますが、基板が小さいので妥協しているところがあります。このあたりは、自由に変えてもらったらいいと思います。

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