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実体顕微鏡
(2015年5月8日)
 年をとるにつれて苦労するのがハンダ付けです。普通の部品をハンダ付けするときでも、ハンダを載せたつもりでも付いていないことがあって、細かい所まで見えていないことを実感させられます。まして、チップ部品になると全く手の出ない領域と考えていました。しかし、見えればなんとかなるという発言も耳にします。そこで、実体顕微鏡を手に入れて使ってみることにしました。
 実体顕微鏡は、まともに新品を買うとなるととても手の出る値段ではありません。そうなると、ヤフオクで中古品を探すことになりますが、今まで触ったことのない世界のものなのでどのようなものを買えばいいのか? どのくらいの金額ならば妥当なのか? まるで見当がつきません。そこで、なるべく安いものを落札して実物を見てから考えることにしました。
 あと、実体顕微鏡に必要となるのがリングライトです。これも、まともなものを買うと結構な値段です。そこでヤフオクで落札しました。しかし、しばらく使っていたら電源が故障してしまいました。そこで、こちらは電源を作ってみました。

内容
1.実体顕微鏡
(掃除)
(プリズムの調整)
2.リングLEDライト
(電源の製作)
3.まとめ

1.実体顕微
   ヤフオクで落札したものは、協和光学工業のSD-1Pです。倍率は10倍で、ハンダ付の作業をするときは丁度いいくらいの倍率だと思います。倍率が高過ぎると被写界震度が浅くなり、見える範囲も狭くなるので作業しにくくなると思います。
 さて、実体顕微鏡は情報が少なくて、分解して掃除しようとしても、元に戻せなくなる可能性が非常に高いです。このため、可能な範囲で作業しました。



(掃除)

   接眼レンズですが、だいぶ汚れていましたので、掃除しました。構成部品はバラバラに分解できたので、アルコールを使って汚れを落とします。掃除が終わったら組み立てますが、シリコンスプレーのオイルを綿棒に採り、ネジ部に少しだけ塗って滑りをよくしておきました。
 プリズムと対物レンズは掃除するほどでもなかったので、表面をアルコールで拭く程度にしました。

接眼レンズ。かなり汚れていました。



(プリズムの調整)
   一番気になっていたことは、光軸の調整です。 今まで実体顕微鏡を触ったことがないので、どのような状態が適正なのか見当がつきません。そこで、会社にあったNikonのSMZの見え方に合わせることにしました。以下に調整した方法の概要を書きますが、この方法が正しいという保証はありません。念のため。
 今回手に入れたSD-1Pは、左右の視野が上下方向にずれていました。左右の重なりは記憶にないのですが、ほどほどに見える程度だったと思います。プリズム部のカバーを外してみたら、右側だけいじった形跡があったので、調節は右側のプリズムだけで行いました。両方を動かしてしまうと、収集がつかなくなってしまいます。
 実際にやった調整は、上下方向の位置を完全に合わせることと、横方向は円の中心が交差し、左右の円が90%くらい重なるようにしました。プリズムを固定しているネジを緩めて、位置を少しずつずらして見え方を確認しながら調節します。 調整を終えて顕微鏡を覗いてみると、深さ方向が強調されて立体的に見えます。
 この位置合わせの調節のために、円と、円の中心に横方向、垂直方向の線を入れた簡単な板を作り、調整に使用しました。これがないと、縦方向のズレとか重なり具合が分かり難いです。
 作業には、プリズムを汚さないために手袋が必要です。調整が終わったら、プリズム表面をアルコールを少し含ませた綿棒で丁寧に拭きます。プリズムの表面に汚れがあると、それが映って見えるので、なるべく綺麗にします。
 なお、以下の写真はSD-1Pのものであり、他の実体顕微鏡では違う構造になっていると思います。

プリズム部の分解開始




上側の押さえつけているバーのネジを緩め、下側の二箇所の固定金具のうち、 1ケ所を緩めて調節をしました。 しかし、
それだけではうまく調節できな かったので、下側のもう一方の金具も緩めて調節しました。結構根気が必要です。


接眼レンズの目当てゴムを買いました。慣れるまで、目の位置を安定化するためです。
これは、意外と便利です。


2.リングLEDライト
   実体顕微鏡を使い始めた頃は、リングライトは使わなくても大丈夫だろうと思っていました。このため、初めの頃はLED懐中電灯の細いものを取り付けて使っていました。しかし、部品が載っている基板をいじる時は影ができてしまい、作業性がよくないことが分かってきました。そこで、リングライトを買うことにしました。
 しかしながら、顕微鏡用のリングライトはかなりの値段です。そこで、動作が不安定になっているというものをヤフオクで落札しました。手に入れたものは、林時計工業のHDR61WJと電源がLP210です。このLP210がしばらく使っているうちに故障しました。そこで電源を作ることにしました。

(電源の製作)
   リングライトのHDR61WJの電圧を調べてみたところ、15V位の電圧から光りはじめ、19V付近で通常使う明るさになります。そこで、15~22Vの範囲で電圧調節ができる定電圧電源を作ることにします。
 可変電圧出力タイプのシリーズレギュレータでもいいのですが、最近はスイッチング電源で出力電圧を可変できるモジュールがあります。スイッチング電源であれば、発熱を気にしなくていいので製作が容易になります。そこで、秋月のHRD12003を使った電源キットを使いました。このキットは外付けの抵抗を加える事で、出力電圧をある程度変えることができます。外付けの抵抗を色々変えて(もちろん表計算ソフトを使ったシミュレーションです)、15V~24V程度の範囲の電圧を調整できるようにできる定数を調べました。その結果、以下の回路図のようになりました。

回路図

 この定数のとき、500Ωのボリュームの位置と出力電圧の関係は、HRD12003のデータシートを参考に計算してみると下図のようになります。今回の目的に十分使えることが分かります。



秋月の基板の状態。出力には電流検出用に12Ωの抵抗を入れている。


プラスチックのケースに収めた様子。最初は別の回路にする予定だったので、ケース内に余計なスペースがあり、整流回路のユニバーサル基板は余裕があり過ぎ状態になっている。

3.まとめ
   実体顕微鏡を使いはじめると、普通の部品のハンダ付けでもうまく付いていない場所を見つけることがあります。このため、最近ではなるべく実体顕微鏡を使うようにしています。アースパターン周りのハンダ付けなど、作業が難い場所は、実体顕微鏡を使って作業した方が安全です。
 表面実装部品、チップ部品のハンダ付けは、実体顕微鏡があればなんとかなることも分かりました。見えていればなんとかなります。今までは無理と諦めていたのですが、意外と簡単にハンダ付けできてしまいます。
 あと表面実装部品のハンダ付けは、温度調節ハンダごてと、作業しやすいハンダが必要だろうと思います。部品が小さいので、アースパターン近く以外は熱容量があまり必要ないため、温度を低めにしてもハンダ付けできます。温度が低ければ、こて先の酸化が進みにくいので連続した作業も楽になります。
 ハンダはgootのSE-06003RMAが使い勝手がいいです。細かい部品はこれを使っています。フラックスが優れているようで、ハンダがうまく流れてくれます。他のメーカは試していないのですが、同等品があると思うので試してみて使いやすいものを選べばいいでしょう。
 表面実装部品のハンダ付けでは無鉛ハンダを試したことはないのですが、今まで作業してみた感じでは無鉛ハンダでも問題なく作業できそうです。フラックスをちゃんと選べば、それほど作業性は落ちないだろうという気がします。



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