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私の好む音
 簡単に言えば、前後の奥行き感があって、うるさくなく、細かい部分まで聞こえる音です。 今まで、試行錯誤してきた結果、NO-NFBアンプ、バックロードホーンスピーカー、オーディオクラフトのトーンアームなどを使っています。 

1.NO-NFBアンプ
 NO-NFBアンプというと、真空管アンプを連想する方が多いと思います。メーカー製のもので、しかも、トランジスタを使ったものははほとんどないのですが、パイオニアが1979年に発表したC-Z1M-Z1(オーディオ回顧録のサイトです)があります。思いつくものは、これくらいです。しかし、値段が高い。 C-Z1、M-Z1は、回路を調べたことはないのですが、下図の基本回路から考えると、直流的に負帰還がかかっているようです。
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無線と実験1980年2月号の広告に記載のあるC-Z1、M-Z1の基本回路


 パイオニアの発表の前でしたが、無線と実験1979年10月号の読者のページに、私のNO-NFBアンプ (ここのサイトに載せているものとほぼ同じです。) を載せて頂きました。原稿を送ったとき誠文堂新光社からは、「歪み率などの特性データがあった方がよい」と言われ、それ以来、音沙汰がなかったので ボツかなとあきらめていたら、突然、掲載されて驚いたことを覚えています。 パイオニアからの発表が影響したのかもしれません。
hyoushi
kiji

 私がNO-NFBアンプを作るきっかけは、メインアンプのNFB量を変更して音を変化を調べているうちに、NO-NFBならばどうなのか?ということで、アンプを作ってみようと思ったことです。バラックに近い状態で組み立てて、音を聞いてみると、人の声がのびのびして聞こえます。これに気をよくして、10Wのミニアンプを作りあちこち持って歩いて、アンプの聞き較べをしました。 
 友人達の口の悪い評価でも、やはり人の声がよいということになりました。 

NO-NFBアンプとNFBアンプ(最近流行の電流帰還タイプは知りません)の音の違い

 NO-NFBアンプとNFBアンプを比較試聴するときは、聞く順序によって印象がかなり変わります。

(a) NFBアンプ → NO-NFBアンプの順序で試聴
 輪郭がなくなり、分解能が落ちたように聞こえる。音の傾向がまるで違うので、違和感がある。
(b) NO-NFBアンプ → NFBアンプの順序で試聴
 音がうるさい(人の声のサ行が荒れる)。音源がスピーカーの位置にへばりつき、奥行き感がなくなる。
 
 何度か聞き比べをすると、NO-NFBアンプの方を選んでくれる人が多いようです。

 NO-NFBアンプの音ですが、以下のような特徴があります。
・分解能が高い。
・奥行き感が出る。
・レコードのスクラッチノイズ、テープデッキのヒスノイズが目立たなくなる。
・サ行の声の荒さが目立たなくなる。
・音量を上げてもうるさくならない。
・クリップポイント付近でも、割れたような音にならない。


 ということで、NO-NFBアンプを使っています。


2.バックロードホーンスピーカー  
 バックロードホーンスピーカーというと、長岡鉄男さんを連想する人が多いと思います。 このスピーカーは、一部の人の熱烈な支持があるものの、メジャーになれないようです。 理由はいくつか考えられますが、大きなものは、①店で売っていない、②当然自作するしかない、③フルレンジスピーカーでいい音がするはずがないという教科書的な考えが広まっている、などが挙げられます。また、バックロードホーンスピーカーなんて知らないという人も多いでしょう。
 
 私自身も、少し懐疑的でした。しかし、アンプの聞き比べをしているとき、アンプの音の違いがよく聞き取れることが分かり、興味を持つようになりました。ただ、アパートで使うには箱が大きいので躊躇していました。
 
 実際に使うようになったのは、1997年に長岡鉄男さん設計のD-50にFE-206Σを取り付けたものを譲ってもらってからです。実物を見て、箱の大きさ、FE-206Σのマグネットの大きさに感激しました。密閉箱やバスレフでは全く低音の出ないユニットを作る FOSTEX も FOSTEX ですが、これを使いこなす長岡さんもすごいなと思いました。 

 音の傾向は、NO-NFBアンプと類似のところがあります。 
   
・アンプの違い、スピーカーケーブルの違いがよく分かる。
・奥行き感が出る。
・音が前に出てくるというか、のびのび鳴ってくれる。

 ただ、FE-206Σオリジナルのままだと人の声が荒れ気味なので、8Ωの抵抗と1μFのコンデンサで、インピーダンス補正をしています。ツィータはFT-66Hを使っていますが、もう少しグレードを上げようかと思っています。

 試しに、FE-206Σよりもマグネットを協力にしたFE-206Sを取り付けてみたこともありましたが、明らかにハイ上がりになってしまいます。FE-206Sは、D-58ESでも作って取付け、ダンプ量を調整しながら使ってみようと思っています。


3.オーディオクラフトのアーム
 備忘録に書いてしまったのでここではあまり書くことがないのですが、オーディオクラフトの製品には音質的に共通したものがあって、分解能が高くかつ神経質でない音を出してくれます。シェルも同様の傾向があります。AS-2PL(ピッカリングへOEMされているようです)などに替えてみると、よく分かると思います。AS-2PLとオーディオテクニカのAT-LT13aを比較したとき、見た感じではAT-LT13aががっしりしていて重厚な音が出そうなのに、出てくる音は逆になっていました。しばらく、その違和感が納得できずに、聞き比べしてしまいました。

 現在は、製品を入手することが難しいですが、オイルなどは注文すれば入手できます。 


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