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オーディオクラフトのトーンアーム
(2002年10月; 2005年12月修正)
ワンポイントサポート・オイルダンプアーム?
使うようになったきっかけ
短所・長所
調整
音
ワンポイントサポート・オイルダンプアーム?
無線と実験の1975年1月号に、プレーヤーの製作と比較試聴記事がありました。 プレーヤーは矢萩良男氏の作ですが、ダブルアームのうちの1本がオー ディオクラフトAC-300+オーディオテクニ カAT-15E の組合わせです。試聴者は当時の小川正雄編集長、小泉永次郎氏、長瀬雄次郎氏の3名でした。 試聴の結果、オーディオクラフトAC- 300+オーディオテクニカAT-15Eの組合わせが非常に優れているとの結論でした。 オーディオクラフトという会社を最初に知ったのは、この記事でし た。 また、ワンポイントサポート・オイルダンプアームという言葉も初めて知ったのです。
使うようになったきっかけ
ソニーのターンテーブルTTS-6000を購入してプレーヤーを作ろうとしたとき、どのアームを使うか考えていました。ロングタイプはなんとなく敬遠し ていたため、ショートタイプのアームにしようとは思っていました。当時は、アームはSME-3009、カートリッジがシュアTypeIII 或いは エン パイア1000ZE/Xあたりが定番でした。友人がSME-3009+エンパイア1000ZE/Xだったので他の組合わせを考えていたのですが、なかなか いいものが思いつきません。
もちろん金をかけるつもりなら、ロングタイプではあるものの、SME-3012+デンオンDL-103という組合わせ(当時の無線と実験小川正雄編集長 お勧めの組合わせ)があるのですが、そこまで踏ん切り がつきません。
当時の仙台には、オーディオプロという店が一番町にあり、高級機器が並んでいました。自作マニアがあまり行くような店ではなかったのですが、なんとなく 覗いてみたら、AC-400C(AC-300Cのロングタイプバージョン)が安く売っていました。ところが、よく見ると箱はAC-400Cだし、商品札も 手書きでAC-400Cと書いてあるのですが、アームの実物はAC-300Cです。ちぐはぐだと思ったものの安く買えればいいので、購入することにしまし た。お金を払うときになって店員も商品名が違うことに気が付き、さらに値引きしてくれることになりました。非常に特をした気分でした。今考えると、クレー ムで返品された商品だったのかもしれません。
ともかくアームが決まりました。カートリッジは無線と実験の記事を信用して、AT-15Eに決まりです。
AC-300C
・全長: 333mm
・有効長: 237mm
・オーバーハング: 15mm
・軸中心からターンテーブル中心までの長さ: 222mm
ということで、ワンポイント・オイルダンプアームを使うようになりました。
現在はやはり同じタイプの、オーディオクラフトAC-3000を使っています。カートリッジに会わせてアーム部分変更できるようになっており、アームと カートリッジの相性の問題をある程度解消できます。
下の写真で分かるように、ストレートタイプのアームを使っています。カートリッジは、オーディオテクニカのAT160MLです。
短所・長所
短所を先に書いたのは、他のタイプのアームに慣れている人、面倒くさがり屋の人には致命的と思える欠点があります。私には欠点ではなく、構造上当然のこ とと思えるのですが・・・・・
(1)短所
短所は、なんといっても調整箇所が多いことと、調整が面倒なことです。名前の通り1点支持ですから、通常の長手方向の調整に加えて横方向の傾きを調整し なければなりません。
カートリッジを聞き比べしようするときは、カートリッジを交換する度に全て再調整する必要がありますので大変です。他のタイプのアームのように、気軽に カートリッジを交換し、音を比較するなんてことは難しいのです。またアームを持ち上げると、横方向にフラフラします。造りがしっかりしていないという印象 を持つ人がいるかもしれません。 このフラフラのため、レコードに針を落とすとき、慣れないと目的の場所に降りません。
レコードの状態によって水平方向の傾きインサイドフォースキャンセラーの最適な強さが変わるので、気を付けていなければなりません。必要の都度、調整が 必要です。神経質になると調整ばかりしているような感じがするかもしれません。
さらに、もう一つ、オイルの管理があります。アームを運んだり、保管するきはオイルを抜いておかないと、シリコンオイルが漏れてベタベタになります。ま た、数年に一度は、オイルを交換した方がよいようです。
このように面倒くさがり屋には向かないアームです。
(2)長所
長所は、一点支持ですからアームの動きが軽く、トレーシング能力が高いことでしょう。またダンプ量を変更できますので、カートリッジに会わせて調節でき ます。さらに、オーディオクラフトAC-3000、AC-4000シリーズは、アームパイプを色々交換できます。
重量級のローコンプライアンスカートリッジでは、ダンプ量を最大にして重くて太りアームパイプを使い、カートリッジを押さえ込むような設定も可能です。 逆にエンパイアのような軽量ハイコンプライアンスカートリッジでは、ダンプ量を最低にして軽量のアームパイプを使うと良い結果が出るようです。
私がこのアームを使っているもう一つの理由は、可動部の機械的接触位置がサポート接点の1箇所だけであるために、経年変化がほぼ無視できることです。ベ アリングがあると経年変化で動きが悪くなったりしますが、ワンポイントサポート・オイルダンプアームだと古くなってもそのような心配はありません。
調整
調整手順の概略は、以下のようになります。通常は、(b)以降の操作になります。
(a)
下の写真の蓋みたいなものを回して外すと、オイルボールがネジ3本で固定されています。それを外し、古いオイルを綿棒などで取り除き ます。オイルボールを元通りにし、オイルカップにオイルを注入します。
(b)
ダンプ量を決めます。下の写真の蓋みたいなものを回して設定します。これを最初に行うのは、この調整でアームの高さが変わるためで す。
(c)
レコードに針を降ろしたとき、水平に近くなるようにアームの高さを調整します。カートリッジによっては、アームベースが少し高い方が 良い場合がありますので、カートリッジに会わせて調整します。
(d)
針圧を設定します。
(e)
アームリフタにアームを載せ、横方向に水平になるように調整します。下の写真と図にある目盛り付きのスライダーをツマミを回して調整 します。スライダーで調整しきれない場合は、ラテラルウェイトを取り付けます。
(f)
インサイドフォースキャンセラーを設定します。メーカーの指定値だと強すぎるようです。私は、レコードに針を載せたとき、針先が曲が らないように調整しています。
(g)
レコードに針を降ろし、横方向に傾いていないか確認します。傾いていたら、再調整します。
ダンプ用のオイルは、注文すれば入手できます。
ダイナミックオーディ オ
だったか、
キムラ無線
だったか忘れましたが、手配 して貰ったと思います。
交換アームに附属していた説明図
音
ワンポイントサポート・オイルダンプアームというか、オーディオクラフトのアームと言った方がいいのかもしれませんが、ゆったりとしていてダイナミック レンジが広く、繊細な音を出すアームです。私はサ行の音が荒れる音が嫌いなので、キンキンした神経質さがなく、かといって鈍くもないこのアームが気に入っ ています。NO-NFBアンプと同様の傾向です。
COLDKID.COMさん の評価
では、音はいいが構造がなんか変となっています。普通のアームに慣れていると、ワンポイントサポート・オイルダンプアームは使いにくいと思 います。
逆に、調整することを厭わない人だと、こういうところが好きだったりするわけです。
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