カスタム検索

ATH-A9x、ATH-A100Tiの改造と比較
(2011年9月)

 最近、オーディオテクニカATH-A100Tiの中古を入手しました。手元にあるATH-A9xと比較してみたいと思ったからです。ネットを調べてみると、ATH-100Tiは中音の張出しが強いという評価です。ATH-A9xとどのくらい違うのか確認してみました。

改造
 ネットで調べているときに、ヘッドホンに吸音材を入れている例がありました。ATH-A9xをバラしてみると、確かに吸音材が入っていません。そこで、ホームセンターに行って吸音材に使えそうなものを探してみました。理想的には、低音吸収のために程々の質量があって、吸音性能が優れているものです。金魚の水槽に使うフィルターを見ましたが、軽くて質量が足りなさそうです。タオルは使えそうですが、気分的にちょっと抵抗があります。ウレタンスポンジは、経年変化でボロボロになるので、これもだめです。
 探しているうちに、台所用品の所でレンジふきんが目につきました。非常に柔らかくてタオルなんかに比べると重い感じがするし、何と言っても見た目が綺麗です。素材はレーヨンで、元々はセルロースですから自然にも優しい材質です。値段はちょっと高めですが、少しか使わないので問題ありません。

イヤーパッドを外して、分解途中のATH-A9xと吸音材として使うレンジふきん

A9xのハウジング内部。吸音材はありません。A100Tiも同様です。

レンジふきんを切ります。切るときに、外側の織られていない部分の細かい繊維が大量に散るので、
掃除機で吸い取りながら作業します。吸い取ってしまえば、普通に問題なく使えます。


吸音材を詰め込む様子。これはA100Tiですが、A9xも同様です。

A100Tiのドライバーユニット。A9xと違い、金属のカバーが付いています。

音の変化と比較試聴
 ヘッドホンアンプは、自作した無帰還ヘッドホンアンプです。ヘッドホン端子が3個もあるし、出力インピーダンスが低いし、スピーカーを鳴らせるくらいのパワーがあるので、ヘッドホン2台を同時につないで聴き比べできます。
 まず、A9xの改造による音の変化です。ATH-A9xに吸音材を入れたら、100Hz以下の低音レベルが上がりました。量感が増えて、音程がちゃんと聞こえるようになりました。レーヨンは、吸音材として優れているのかもしれません。吸音材の無いときは、100Hz以下の低音がちゃんと再生できていない感じがあったのですが、60Hzくらいまでは自然に再生できるようになりました。50Hzだとレベルが落ち、40Hzになるとなんとか聞こえているレベルです。ヘッドホンに50Hz以下の体を振動させるような音は元々無理なので、これで十分だと思います。あと、中音の濁りが改善されています。
 この状態で、無改造のA100Tiと比べてみました。音は、値段相応で、A100Tiの方が分解能が高く、音の伸びがあります。しかし、AT100Tiは、吸音材が入っていないために、金属的な残響感があります。また、低音の量感が不足気味です。
 次に、A100Tiにも吸音材を入れて比較してみました。今度は、A100Tiの残響感がなくなり、低音も伸びるようになりました。元々、中音の張出が非常に強いのですが、低音の量感が増えたために、中音の強調感が少し改善されたような気がします。
 A100Tiはネットの評価では中音が強いと言われていますが、中音の音量レベルが高いわけではなく、音の伸びが目立つためのようです。 これだけのびのび鳴るのは、振動系が非常に良くできているためでしょう。特に、複雑な構成の音楽とか、強い音の間に小さな音が聞こえているような音楽に威力を発揮しそうです。しばらく、改造したヘッドホンで遊べそうです。



備忘録へ戻る

topページへ戻る


Copyright © 2002 minor-audio.com All Rights Reserved.

カスタム検索