逆RIAA回路(2009年9月21日)
1.はじめに
2.インターネットの調査
3.「手作りアンプの会」テスト用逆RIAA回路と計算シート
4.逆RIAA回路の製作(2作目の例)
1.はじめに
「手作りアンプの会」2009年冬のお寺大会の課題は、
フォノイコライザアンプです。 しかし、イコライザアンプを作っても、アナログプレーヤがないと、音が出ません。そこで、案内の中に逆RIAA回路を入れてあります。
逆RIAA回路でCDプレーヤの出力をフォノカートリッジレベルまで下げてやれば、動作確認をすることができます。CD、DVDが普通になった時代には、
アナログプレーヤを持っていない人が多いと思いましたので入れておきました。
2.インターネットの調査
インターネットを検索してみると、いくつか逆RIAA回路が紹介されています。
3.「手作りアンプの会」テスト用逆RIAA回路と計算シート
通常、イコライザ回路の定数は製作例をそのまま使って組み上げるので、音楽を再生するときに問題となるような誤差を生じることはないはずです。また、
上記インターネットの調査例は、CDプレーヤにとっては重い負荷になります(ぺるけさんの“情熱の真空管データライブラリ”は、少し軽いですが)。ですから、
もし逆RIAA回路を作るのであれば、CDプレーヤから見た負荷を軽くしている下記「手作りアンプの会」テスト用逆RIAA回路、或いは、後述の逆RIAA回路の製作(2作目の例)がお勧めです。
しかしながら、定数をいじってみたいとか、手元の抵抗とコンデンサでなんとか組み上げたいという場合には、計算で確認したくなります。そのような人のために、逆RIAAの計算シートをアップします。
計算に使った回路は、下図のようになっています。カットしたい抵抗はゼロを入力し、カットしたいコンデンサは大きな数値を入力して下さい。
「手作りアンプの会」テスト用逆RIAA回路を下図に示しますが、1kΩくらいまでのインピーダンスでドライブすることを考えています。入力の0.15μFは直流カット用、1kΩはCDプレーヤなどから見た負荷を軽くするために入れています。出力の1000pFは、高周波ノイズがイコライザアンプに入らないようにするために入れています。このように、アンプの動作を優先させていますので、精度は二の次と考えています。
「手作りアンプの会」テスト用の回路を計算した結果を下図に示します。抵抗とコンデンサに誤差がなければ、50Hz~10kHzの範囲で+0.001dB、-0.2dBの範囲に収まることになります。10kHzより高域側、50Hzより低域側ではマイナス側に振れるようにしています。CDプレーヤにつないで音楽再生をするのであれば、十分に使えると思います。
4.逆RIAA回路の製作(2作目の例)
一作目は「手作りアンプの会」テスト用を組み上げましたが、間に合わせで作ったので一部、精度の低い部品を使っていました。これが気になっていたので、
2作目は、少しまともに組み上げてみました。
回路図
基板パターン
この回路で組んだ時の逆RIAA特性の計算結果です。「手作りアンプの会」テスト用に較べると、若干、誤差が少なくなっています。
計算だけだと実感が湧かないので、実測してみました。パワーアンプの出力を入力に接続し、ミリバルで測定しています。結果を下表に示します。計算の時は、無限に数字が出てきますが、実測の場合は有効数字が3桁しかありませんので、0.1dB未満は四捨五入しています。2kHz~4kHz付近で0.3dB程度プラス側に寄っているのが気になりますが、
非常に良く合っていると言えるのではないでしょうか。
実測値
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