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(1)直流成分に100%負帰還をかけるのが当たり前で、帰還回路に大容量のケミコン(図1の代表的な回路例のケミコン2)が入っていました。また、入力側にも直流信号をカットする為と、トランジスタのベース電流をカットするためのケミコン1が使われていました。 |
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当時のケミコンは、音質を意識して製造されたものがなかったと思います。また、ケミコンが音を悪くしていることについて、あまり認識されていなかったと思います。 金田先生のDCアンプは、この直流をカットするためのケミコンが音を悪くしていることを示してくれました。金田式アンプの登場以降、音質のよいケミコンが製造されるようになりました。 |
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(2)初段はトランジスタを使うのが普通で、FETはノイズの点で不利だと言われていました。このため、初段にFETが使われる例はほとんどありませんでした。 |
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上の(1)、(2)と関連しますが、初段のトランジスタはhFEが揃っているもの選び、下の回路例のR1とR2は同じ値の抵抗を使うのが普通でした。これは、トランジスタのバイアス電流によって発生する電圧によって、出力に直流電流が出るのを防ぐためです。 |
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(3)現在では使われなくなっているブートストラップ回路(下の図1のブートストラップ用ケミコンを)を使うのが当たり前のようになっていて、メーカー製アンプ(Onkyo
Integra A-722)の回路にも しっかり使われています。 ブートストラップ回路は、交流成分のNFBは増えるし、安定性は悪くなるのですが、交流ゲインが増え、NFB量が増えることによって見掛けの特性はよくなりますのでよく使われていました。 ブートストラップ回路を使わない場合は、電圧増幅段を3段にしたり、定電流負荷を用いたりして裸のゲインを稼ぎ、NFBで見掛けの特性をよくすることが当然のことと思われていたのです。 |
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ブートストラップ回路は、見掛けの特性を良くしようとしてちょっと強めに設定すると、音が歪みっぽくなり、うるさくて聞いていられないような音になります。メーカー製でも、音量を上げると音が歪みっぽくなるアンプがありました。それでも、電気特性は素晴らしい特性を示していました。 ブートストラップは、弱めに設定したとしても、音質が悪くなることはあっても、良くなることはなかった思われます。 この回路が、普通に使われていたということから、当時のアンプの音が、いかにひどかったかということが分かります。 |
図1
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図2 無線と実験1973年7月号から
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図3 無線と実験1973年7月号から
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図4 無線と実験1973年7月号から
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