実体顕微鏡 協和光学 SZM
(2018年1月3日)
協和光学 SD-1Pの記事はこちら（2015年5月）
協和光学 ( 協和 ； kyowa optical ) の倍率10倍の実体顕微鏡を手に入れてからチップ部品のはんだ付けに重宝してきまたした。チップ部品のはんだ付けだけでなく、普通のはんだ付けでも実体顕微鏡で拡大して確認すると、ちゃんとはんだが載っていないことがよくあります。このため、手放せない器具になっています。また、細かい作業を行う時にもこれがあると非常に便利す。
この実体顕微鏡で特に不自由は感じていなかったのですが、時々、もっと広い視野で見たいと思うことがあります。基板にチップ部品を載せる時に広い範囲ではんだ付けを行うことがあり、そのときはもっと低倍率の顕微鏡があるといいなと思ってきました。10倍よりも低い倍率となると、固定倍率の顕微鏡を手に入れるのは難しいので、ズーム式の顕微鏡を手に入れて低倍率で使うことになります。このため、ズーム式の実体顕微鏡を手に入れることを考えていましたが、なかなか手頃なものが見つかりません。
最近になって、ヤフオクで協和光学のズーム式実体顕微鏡がいくつか出品されていました。協和光学は今まで使ってきたメーカーなので、個人的には安心感があります。そこで、落札することにしました。
内容
1.実体顕微鏡 協和光学 SZM
2.掃除
3.まとめ
1.実体顕微 協和光学 SZM
入手したものは、協和光学工業のSZMです。同社のサイトを見ると、1984年から販売されていた製品のようです。鏡筒部の倍率は0.6～3倍で、接眼レンズに10倍のものを使用すると、6～30倍になります。6倍というのは、私にとって魅力的な値です。角度は60°で、多く使われている45°の顕微鏡に比べると上から覗き込むような感じの違いがあります。 私はこの角度の方が好みです。
ネットを調べると、UNITRON社からもOEMで販売されていたような写真が見つかります。ebayから中古品が入手できるようです。しかし、UNITRONのZSMも協和光学のSZMについても詳細な情報が見つかりませんでした。
協和光学SZMの写真です。顕微鏡用のスタンドは静電気対策がしてある前の顕微鏡のものに載せ替えています。
2.掃除
入手した状態ですが、あちこちに接着材とかフラックスのようなものが付着していました。これは剥ぎ取ったり、イソプロパノールを使って落としました。顕微鏡の上げ下げとズームの可動部は特に問題なく動きました。しかし、観察してみると曇りがあります。光学系が汚れているようです。そこで、分解して掃除することにしました。 ちなみに、今回の接眼レンズを前に使っていた顕微鏡に付けて使ってみると、より綺麗にクッキリと見えました。 接眼レンズでも差があることが分かりました。
接眼レンズ
接眼レンズを外した状態
視度調節リングを外した状態
ミラーボックスを外してみると、プリズムではなくミラーを使っていました。ミラーに曇りはありませんでしたが、念のため掃除しても曇りは解消されません。
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ミラーボックスを外した状態。プリズムではなくミラーでした。
そこで、対物レンズというかズーム部分を分解してみることにします。顕微鏡を逆さにしてみると、ネジが4本あります。このネジを外すとズーム部が出てきます。
ズーム部は、4本のネジで固定
いくつかレンズがありますので、掃除します。ついでに、ギアとか可動部分も古いグリスを除き、シリコングリスを塗ります。
ズーム部の内部
この顕微鏡にはズーム部の鏡筒の中を通る管があります。上部から照明するためのものでしょうか？
ズーム部の中を通る管
ズーム部の一番外側のレンズが酷く曇っていました。イソプロパノールと綿棒で掃除すると綺麗になりました。この部分の曇が大きく影響していたようで、掃除を終えて組み立て、観察すると曇りがなくなり、綺麗に見えるようになりました。
ズーム部の中を通る管
焦点調整ノブもばらして掃除します。
左側のノブを外した状態
分解して古いグリスを除き、グリスを塗って組立
Finish Lineのテフロングリスを使用。滑りが良くて滑らかに動きます。
3.まとめ
やっとズーム式の実体顕微鏡を入手できました。メンテナンス性も良好で、使いやすい実体顕微鏡ではないでしょうか。ヤフオクで手に入れた顕微鏡はいじり倒されていることが多いような感じがありますので、手を出し難いのですが、このこの顕微鏡は作業していた状態のまま出品されていたようで、古いものですがお買い得のような気がします。
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