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半波整流出力でスピーカーを鳴らすとどんな音になるか? (2005.2.13)

1.半波整流出力でスピーカーを鳴らすとどんな音になるか?
2.通常効いている音量の電圧はダイオードの閾電圧以上?


1.半波整流出力でスピーカーを鳴らすとどんな音になるか?
 以前から、音声信号の半波だけをスピーカーに入力したらどんな音が出るのか? という疑問がありました。そこで、簡単な実験をしてみました。

使用した機器、部品
アンプ: 自作半導体無帰還50Wアンプ
スピーカー:大澤氏作 伊勢型紙 渋紙コーンFE-206S改+長岡式D-50改バックロードホーン
ダイオード: RK16(サンケン、ショットキー60V1.5A)

実験
 下図のようにアンプの出力にショットキーダイオードを入れ、抵抗で約1/13に減衰させた半波整流後の出力をスピーカーに送ります。 約1/13に減衰させているのは、ダイオードの閾電圧の影響を出にくくするためです。
 実はこの実験の前に次項で述べる図2の回路で予備テストをしたのですが、スピーカーの能率が高いこともあってショットキーダイオードを入れると音が出なくなってしまいました。 このため、ダイオードの閾電圧の影響を低減するために約1/13に減衰させています。

図1

結果
 チューナーの音をパワーアンプで増幅し、半波整流して図1上の状態で音出ししてみると、ノイズだらけながら人の声を聞き分けることができます。音楽も、 それなりに聞こえます。 ノイズだらけとは言いながら、うるさくは聞こえません。 スピーカーに直流が流れていますので、抑圧された感じの音です。
 次に、図1下のように直流成分をコンデンサでカットしてみると、抑圧感はだいぶ減ります。しかし、ノイズだらけの音であることに変わりありません。

 以上のことから半波の出力をスピーカーに入れたら、それなりに音が聞こえることを確認できました。


2.通常効いている音量の電圧はダイオードの閾電圧以上?
 実は、上記の実験よりもこちらの方を先に行ったのですが、話の順序の関係で後に書きます。 下図のようにアンプの出力とスピーカーの間に整流用ダイオードを入れたらどうなるか? ということです。図1のように、ダイオードの閾電圧の影響を軽減していないので、まともに閾電圧の影響が出ます。


図2

ダイオード:
 RK16(サンケン、ショットキー60V1.5A)
 UF4005(GE、ウルトラファストリカバリダイオード600V1A)
 11EQS10(日本インター、ショットキー100V1A)
 10D-10(日本インター、汎用)

実験
1.
通常聞いている音量レベルで音が出ているときに、ショットキーダイオード(RK16)を入れる。

  通常聞いている音量でショットキーダイオード(RK16)を入れると音は聞こえなくなる。両波整流出力状態にしても同じ。ショットキーダイオードの閾電圧 は0.3V程度なので、これ以上の電圧が出ていればそれなりに音(ノイズ)が出るはずであるが、全くの無音状態となってしまう。 つまり、通常の出力電圧 レベルはピークでも0.3V以下のようである。
 当然のことながら、他のダイオードでも音は聞こえなくなります。
2.
RK16を入れて、なんとか聞こえる音量までレベルを上げたときに他のダイオードに替えてみる。

  一番電圧ロスが小さいと思われるRK16を半波整流出力状態で入れ、徐々に音量レベルを上げていくと最初はノイズだけが聞こえるようになる。さらに音量レ ベルを上げると、ノイズだらけながら音が聞こえるようになる。RK16を両波整流出力状態にすると聞こえる音が大きくなる。
 この状態は、通常聞いている音量レベルよりもかなり大きい。夜だと確実に苦情が来る。

 この状態でRK16を11EQS10に替えても、音量はあまり変わらない。UF4005に替えると、音が時々途切れて聞こえなくなる。10D-10に替えると、時々ボツという音が出るだけになる。

結果
 使っているスピーカの能率が98dB程度以上あるため出力電圧が低いということもありますが、通常聞いている音量レベルは出力電圧で0.3V以下(約6mW)に なっているようです。これだと、OPアンプでもスピーカーを鳴らすことができそうです。
 予想以上に低いレベルで、ちょっとびっくり


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