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長岡式D-50バックロードホーンスピーカー
(2002年10月、
2006年10月追加
)
1.
D-50の入手と改造
2.
砂を使ったデッドニング
1.D-50の入手と改造
長岡式D-50バックロードホーンスピーカーを使うようになったきっかけ
97年11月ですがネットニュースのフリーマーケットで、FOSTEXのFE-206Σ+長岡式バックロードホーンD-50を譲るとの書込がありまし た。FOSTEXのFT66HとエレキットTU-894も込みで、2万円ということでした。現在のYahooオークションでは考えられない価格です。そう いえば、Yahooオークションが始まった頃は、だいぶ安く落札できたのだが・・・・(現在のYahooオークションは、業者が入っているためか、不思議 なほど値段が高くなり、落札する気にならないことが多いです)
スピーカーは大きくて重いので、送ってもらうと送料がばかになりません。横浜の都筑区ということだったので、ドライブも兼ねて車で受取に行くことにしま した。当日は、オデッセイの2列目座席をたたみ、3列目を床下に収めて出発です。現地に到着しスピーカーを積み込んでみると、かなりの大きさがあって、ぎ りぎりで収まりました。
チェックと、補修、改造
我が家に持ち帰って調べてみると、接着が不十分な場所がありました。作ってからだいぶ時間が経っているため、補修が必要でした。
補修
木ねじと、ボンドを大量に買い込み、下図に示す図面を頼りに、側板に孔を開け、ボンドを注入して木ねじで締め付けます。譲って下さった人は、非常に正確 に作ってあったので、木ねじが効かない場所はありませんでした。 ただ、開口部の三角形の補強部分は、釘が全く効いていない場所があったので、釘を抜き取 り、短めの木ねじで穴を塞ぎます。補修が終わってから、塗装して終了です。
改造
長岡式バックロードホーンD-50は、空気室容積が15リットルあります。空気室の容積が大きいこと自体は問題ないように思えますが、気になるのは、か なり下の方まで伸びていることです。スピーカーユニットの下方から出た音が、一旦下の方へ行き、また戻ってスロート部に到達するとなると、60cm近く移 動することになります。
そこで、空気室の下半分を塞いでみることにしました。板を適当な大きさに切り、空気室の下部を塞ぐように(下図茶色の部分)入れ、仮止めしてみます。こ の状態で音を出してみると、音が少しすっきりした感じになります。それと共に、低音が強調されるようになるので、空気室に入れるグラスウールの量を少し増 やします。この状態がよさそうなので、板を固定し、隙間をボンドで塞ぎます。
最終的に、空気室の容積は約8.5リットルになりました。
インピーダンス補正
(インピーダンス補正:インピーダンスは、交流抵抗のこと。フルレンジス ピーカーのインピーダンスは周波数が上がると高くなるが、抵抗とコンデンサを使ってほぼ一定の値になるように補正すること)
スピーカーユニットと並列に
8Ω+1μF
10Ω+3.3μFを入れてインピーダンス補正を行っています。この抵抗 とコンデンサは、なるべくスピーカーユニットの近くに接続 すると効果が大きいようです。ここでは、スピーカーユニットの端子にハンダ付けしています。
ツィータのFT66Hは、双信電機の0.68μF V2Aポリカーボネートコンデンサを直列に入れ、FE-206Σと並列に接続しています。FT66H は、特にインピーダンス補正は必要ないのですが、音質を調整する意味で10Ω+0.3μFを入れてあります。
インピーダンス補正については、特にフルレンジで使用する場合は、賛否両論があるようです。しかし、音のうるささがなくなり、また音がクリアになるの で、私は必ず入れるようにしています。
スピーカーユニットの変更による音の変化
補修と改造を行った後、快調に鳴っていたのですが、息子がスピーカーユニットを足蹴りにしてコーン紙が凹んでしまったことから、スピーカーユニットを交 換することになりました。
手元に、使っていないFE-206Sがあったので、交換してみると、低音が出ない・・・・・。やっぱりΣ系でないと、無理のようです。Yahooオーク ションで、FE-206Σを入手し、交換しました。FE-206SはD-57かD-58あたりで使おうと思い、大事にしまい込んであります。
2.砂を使ったデッドニング(2006年10月)
2006年10月から装置の設置場所を変更することになりました。それまでは、狭い所でしかもコンクリート壁だったので、音質を期待していないせいも あってあまり気にしていませんでしたが、新しい部屋に移って音出ししてみるとなんかエコー感が強く、音のバランスが変です。
しばらく音出ししていないせいで、ユニットの振動系が馴染んでいないせいもあったのでしょうが、部屋の特性がバックロードホーンの癖を強調しているよう です。そこでバックロードホーンの癖を抑えるため、D-50の空洞となっている部分(下図灰色部分)に砂を詰めてみました。砂によるデッドニングと重量増 加によるマスダンピング効果を期待できます。
また、下図空気室の薄緑色部分はボンドと砂を練ったもので埋め、横から張り出している補強板の下の部分(下図ピンク色の部分)もやはりボンドと砂を練っ たもので埋めてみることにし ました。もともと空気室は大き過ぎるように感じていたので、思い切って小さくしてみます。これにより空気室を小さくすることができるだけでなく、重量物が ユニットの近くに加わりますのでマスダンピングの効果も期待できます。
砂の準備
ホームセンターへ行って、適当な砂を買ってきました。20kg250円くらいでしょうか。これを、バケツなどに適当量採って、水道水を流しながら土とか 細かい砂を洗い流します。これを天日で数日間かけて十分乾燥させてから使います。
空洞部分への砂の充填、空気室へ砂の埋め込み
砂を入れるために、側面に穴を開けます。木工用ドリルの15mmで穴を開けました。この穴から砂を入れていきます。湯飲み茶碗に砂を少しずつ取り、即製 の漏斗で入れ、真鍮棒でつつきながら隙間を埋めていきます。砂が入らなくなったら、ガムテープなどで穴を塞ぎ、箱を立ててゴムハンマーなどで側面を叩きま す。そして、再び横にして穴を塞いでいるテープを剥がし、真鍮棒でつつくと隙間ができて砂が入るようになるのでまた詰めます。これを2回繰り返し、なるべ く隙間ができないように詰めます。
詰め終わったら、15mmの丸棒を適当な長さに切ったものと、ボンドで穴を塞ぎます。
D-50の空洞は、中心に板が入っているので、左右の両側から砂を詰めます。
次に空気室ですが、ボンドと砂を混ぜ、適当に水を加えてセメント状にして埋めます。このまま、3日間くらい、扇風機で音道に風を通しますが、一部が白いままです。全体が乾くま では1ヶ月間以上かかると思われますが、待っていられないのでこの状態でユニットを取り付け、音出しします。
出てきた音
間が開きすぎていて比較しにくいのですが、全体にすっきりした感じの音になりエコー感もほぼ無くなったように思われます。発振器をアンプに繋いで音出 ししてみたところ、100~150Hzが少し薄い感じがしますが、50~60Hzあたりまで十分な音量が出ています。まあ、改善の効果はあったのではない でしょうか。
しかし逆に大きな問題が出ていて、砂の重みが加わったために重くなり過ぎて持ち上げるのが大変になってしまいました。
他に自作或いは改造したバックロードホーン一覧
両端スロートバックロードホーンの製作
長岡式D-112(改)スパイラルホーンの製作
長岡式D50の改造 その2 と、ユニットのインピーダンス特性比較
長岡さんのバックロードホーンスピーカーのパラメータ
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